読んだ本『女流官能小説の書き方』藍川京
こんばんは、甘粕です。
電子書籍『水瓶座はきょう失恋するでしょう』という著作を出してから、それまでまったく興味のなかった電子書籍に注目するようになり、自分でも色々な電子書籍ストアで電子書籍を買うようになりました。
(※この一文の中に「電子書籍」と四回入っています。すごい悪文です。ところで、二見書房シャレード文庫公式サイトの左下に「今月のピックアップ」というコーナーがあるのですが、そこで『水瓶座はきょう失恋するでしょう』をピックアップしていただいております! ありがたい〜m(;_;)m 売れてる…のかな?)
最近は、数ある電子書籍ストアの中でも、とくに「honto」さんにてお買い物を楽しんでいます。
今まで電子書籍はAmazonのキンドルストア一択だったのですが、書店のジュンク堂でhontoで使えるポイントカードを作ってもらってからというもの、hontoで色々物色することが多いです。
どうしてhontoなのかと言うと、ずばりクーポンがもらえるから!
いつどんなクーポンがもらえるかはわからないのですが、たま〜に、
「電子書籍50%オフ」
っていうクーポンがもらえるのです。
普通の書店に行っても新品の本を半額で買えることなんてないのに、すごくないですか? 著者の方の印税も半額になるということはないらしいので、安心してお買い物できます。
で、ここぞとばかりに色々と買い漁ったのですが、今回は
こちらの感想文を書きたいなっと思います。
こ……濃ゆい……
私はBL小説を書いている者ですが、この本で扱っているのは「官能小説」です。主に男性読者を相手にしているジャンルですが、著者は女性、ということもあり、女性の読者も意識して書いておられるそうです。
BL好きな読者さまは女性がほとんどですが、その女性の地雷を踏まないようにするだけでも一苦労の私には、男女どちらも満足させるように官能小説が書けるなんて、本当にどれだけ大変なことなんだろう……と頭がくらくらしてしまいました。
そして官能小説についての本らしく、本文中に濡れ場のシーンがふんだんに取り入れられているのですが、うっ、う〜ん、濃いですね……! 官能小説って読んだことなかったのですが、著者の藍川先生が「官能小説家は読者の劣情を誘う職人だ」とおっしゃっている通り、微に入り細を穿つ直接的なベッドシーンに、容赦なく煽られます。キャラが起ってるとか登場人物が好みだとか、関係なく煽られてしまうんですから、すごいもんです。確かに職人技だ、と思いました。
(でも「オマメ」とか「ワレメ」とか、なんでそこカタカナなんだろうな……という部分がたくさんあって、やはりそこら辺には時代を感じると言いますか、読者の年齢層がうかがえる気がしました)
官能小説家は職人だ!
私は自分を作家ではなく、職人だと思っている。依頼に応じて何でも書かなければならない。ただし、登場人物の感情を大事にしないと味も素っ気もない作品になり、仏作って魂入れずになる。
ここら辺は、BL小説家に通じるところもあるのでしょうか……。
でも今の所、私は自分で作ったプロットを元に書かせていただいているので、そういう意味では自分で書きたいものを書いているということになりますね。幸せな状態です。
しかし藍川先生、作品をお書きになる時はプロットをまったく作らず、登場人物の名前と年齢だけ決めて、それだけで「えいやっ」とお書きになるというのだからものすごいです。絶対真似出来ません。今のBL小説やライトノベルなどの作家さんはまず編集者さんにプロットを見せなければ始まらないですよねたぶん。この辺は、昔の大家と呼ばれる先生にしか許されていないこと、という感じがします。
なんでもない日常が、物書きにとっては宝の山だ!
体験とは、小説にしたら面白そうな、とてつもないことではなく、生きてきた過去すべてのことだ。過去の出会いのすべてがヒントになる。だから、毎日毎日が物書きにとっては宝の山だ。喜怒哀楽もすべてが宝だ。
一日、一日を大事に生きて行こう……!
と素直に思いました。
さいごに……
うぅ〜ん、藍川先生のマネは出来ないな!
でも、偶然の出会いをどう演出するかが小説の面白さに響くだとか、濡れ場のシーンの視点の問題だとか、ジャンルの話だとか、色々と興味深い話題が盛りだくさんでした。そして、私はやっぱり男女の官能より、BLが面白いな! という認識を新たにしました。
それではきょうはこの辺で。
甘粕 杏奈
自分用メモ:セリフだけを読んでみる
こんばんは、甘粕です。
私はブログを二つ持っておりまして、『粕屋(http://kasuya.blog.shinobi.jp/)』というブログは読者さま向けにBL小説の更新をメインにしています。こちらの『amakasuyaの日記』は一応、同業者さま向け、という感じで、思いついたことを色々好き勝手に書いて行こうと思うのですが、なにしろ小説のことで頭がいっぱいなので、ついつい小説の書き方、とかを書きたくなってしまうのですが……。
書きたくない。
小説の書き方なんか、まだ著作が一作しかない私に、語れるわけがないじゃないですか。
じゃあどうして書きたくなるんだよ、というツッコミの幻聴が聞こえましたが、うーん、つまり、歩き始めた赤ん坊は「右足と左足を交互に出すと歩けるんだ! スゴイ! だれかにこの感動を話したい!」と思うものじゃないかな……と思うんですよ。おわかりいただけましたでしょうか。
そんな時に便利な言葉が「自分用メモ」かな、と思うんです。
とりあえずタイトルに「自分用メモ:小説の書き方」とか書いておくと、なんか低レベルなことを書いて「こんなことだれでも知ってるんだけど……」と嘲笑われたとしても、「あ、他人が読むなんて考えてなかったんですけど? 自分用に書いておいただけなんで。え、あなた読んだ? へえ、私が私だけのために書いておいたのに物好きですね。『自分用』って書いておいたじゃないですか。盗み見ないでくださいよ」とか言えるような感じですよね。
そこでまた「何だよ何だよ、自分用とか言って他人に読まれたくないなら、そんなのローカルテキストに書いておけよ! お前ネットでだれでも見られるブログに書いておいて『自分専用』とか何言ってんだよ、ちゃんちゃらおかしいよ!」……とか突っ込まれたらどうしましょうね。もうわけがわかりません。
とにかくブログを更新したいんです
そこにブログがあるから……。書く内容は何でも良いんです。物書きというものは物を書くのが好きで、何かしら文章を書いて他人に読んでもらわないと死んでしまうのでしょう。泳いでないと死ぬカツオみたいな感じです。
本題に入ります
つまりですね、私の分際で小説の書き方の小技、みたいのを書きたくなってしまったのですが、恥ずかしくて前置きをしたわけです。でもその小技というのがですね、私が自分で考えたわけではなくて、Twitterで回って来たとあるブログに、とても興味深いことが書いてあったからなのですね。そのブログというのは、こちらです。
これは『漫画の編集者Mのブログ』という、とあるベテラン漫画編集者さんのブログでして、畑違いながら共通する点も多く参考にさせていただいております。
で、上記の記事の中に「セリフだけ読んでいけば、だいたいストーリーも構成も登場人物の性格なども掴めることに気づいたのです。面白い漫画はセリフだけ読んでも面白い!」という一節がありまして、なるほどそうだなあ……と思ったわけです。
実際に書きかけの原稿をチェックする際に「セリフだけ読んでみる」のを試してみたのですが、おおお、良い感じですね。同じこと二回言ってるとか、会話のシーンで何が言いたいのかちょっとわからないとか、そういうのがクリアになる感じがしました。
漫画と小説は全然違うかもしれませんが、面白いシーンはセリフだけ読んでても面白い、意味が通じる……というのは、共通しているような気がします。
それでは今日はこの辺で。
甘粕杏奈
『スクリーンを突き破れ!』——シャレード新人小説賞感想・2
こんばんは、甘粕です。
突然ですが私、ブラウザゲームの『刀剣乱舞』が大好きなんです。
日本刀の擬人化ゲームですね。このゲームのおかげで各地の美術館や博物館に展示されている日本刀や槍がにわかに注目を集めたりしているそうですが。
その中に「大倶利伽藍」という刀剣の男の子がおりまして。
彼の決めゼリフがかっこいいんです。
「慣れ合うつもりはない」って。
しびれる〜!
「俺はひとりで戦う」って。
かっこいい……!
彼の生き方に、私も憧れてしまいます。
……と、前置きはこのくらいにして、本題に入りたいと思います。
きょうはシャレード新人小説賞感想を書きます
またか……!
とお思いになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
はい、今回は現在シャレード新人小説賞にて絶賛連載中の作品『スクリーンを突き破れ!』の感想文を書きたいと思います。
なぜ書くのか?
なぜ甘粕杏奈は宗川倫子さんの『スクリーンを突き破れ!』の感想を書くのか?
疑問に思った方もいらっしゃると思います。
決して、宗川倫子さんがご自身のブログで拙著『水瓶座はきょう失恋するでしょう』の感想を書いて下さったからではありません。
「慣れ合うつもりはない(決してお追従ではございません)」
「俺は一人で戦う(私は一人でブログを書かせていただきます)」
「お前らは勝手にしろ(みなさまどうぞブログにご感想などご自由に書いていただいて結構です)」
……というわけです。小心者なので、なかなか大倶利伽藍みたいに格好良く決まらないです。
本文中に算数の問題が……!
年下の映画俳優と映画の評論家の恋、華やかな職業と地味だけど知的な職業のカップリングはすごく好みなので、うはうはと読み始めました。第一話では、攻めの日向野くんの生き生きとした様が鮮やかにイメージ出来て、私は容赦なく要/潤をキャストに設定してしまったのですが、みなさまどうぞお好きな俳優さんを当ててみたら良いんじゃないかと思います。日向野くん、好きだーーー!!!
そしてこの第一話でなんと算数の問題が……!
「大学生だったのが十年以上前で、攻めがファンだというコラムは受けが大学生だった四年間だけしか連載してなくて、攻めは受けの五歳年下で……さあ二人は何歳でしょう?」
ええっ……
受け三十二歳、攻め二十七歳?
しかし第一話で答えが出ることはなく、
第二話で、受け三十二歳! あってたー!
ってなりました。
とにかく日向野くんかっこいい
第二話〜第四話までは、押せ押せの日向野くんにジリジリと心と体を許していく主人公の千明さんです。十年つきあった恋人に手ひどく裏切られ、なかなか心を開くことが出来ないのですが、日向野くんの抗い難い魅力に押されていきます。
日向野くん、花束持って押しかけて来たり、さらっと手料理しちゃったり、もう、千明さんより私の方が日向野くんを先に好きになっちゃったよ! という感じです。
第五話で衝撃の事実発覚
わー!
ネタバレになるので言えません。
第六話が今のところ一番おもしろい
……と書くと語弊があるのですが、とにかくこの回泣いた……!!!
やばい泣きながら読んだ……!!!!!
はやくX△#$%&’)P=!!!
もはや日本語になっていませんが、
とにかく読んでみてくださいとしか言えません(滝汗)
さいごに……
「慣れ合うつもりはないが、手を抜いたつもりもないぞ」
(決してお追従ではないですし、一読者として感じたことを素直に書かせていただきました。ありがとうございました!)
甘粕杏奈
シャレード新人小説賞感想文、の補足。
こんにちは、甘粕です。
……この書き出しは、私の読者さま向けブログ「粕屋」で頻繁に用いる書き出しなのですが、続ければ個性になるかもしれない、と思って続けています。すごくどうでもいい情報から始まりました。(汗)
さて、本日のブログは、昨日の記事『『その場しのぎでいかがわしくて』——シャレード新人小説賞感想文』の補足です。
昨日の記事をお読みいただいた方には、私が昨年の今ごろ同新人賞に落選し、それでもご縁があって電子書籍を出させていただいたので、その宣伝のために今掲載されている作品の応援記事を書いた、という感じでご理解いただいているのでは、と思うのですが。
いかんせん、私と『その場しのぎでいかがわしくて』の作者でいらっしゃいます月田朋さんとは、今まで全く知り合いでも何でもなく、ブログやtwitterでの交流もなく、お友達どころかお知り合いでもなかったのです。
その月田さんを、私がなぜ応援しているのか。
ミステリー……ですよね(滝汗)。
これをお読みの皆様はもちろん、一番「うさんくさい」と思っていらっしゃるのは月田さんご本人なのではないか、と思います。
なので、誤解……かどうかはわかりませんが、少しでもわたくしめのうさんくささを軽減出来るよう、今回は記事を書いてみよう、と思いました。
なぜ今、シャレード新人小説賞の応援記事を書こうと思ったか
昨年の今ごろ、私の候補作『白猫ゆうれい』の連載が同新人賞で始まったのと同時に、「少しでも多くの読者さんに読んでもらいたい!」と思いまして、ムーンライトノベルズという女性向け創作小説投稿サイトに、別の小説の連載を始めました。
ムーンライトノベルズは小説の投稿と同時に、活動報告、と言って作者の近況などをお知らせする機能がついています。そこで少しでもシャレード新人小説賞の宣伝をしようと思ったのですね。
小説の内容もムーンライトノベルズで人気のあるちょっとしたファンタジーものに設定し、宣伝記事も書きました。毎日のように小説を更新し、宣伝記事はうざったくなりすぎないよう、週一回ほどにとどめて、がんばって書いておりました。
今の月田さんが「ブログ村」でブログを書いていらっしゃるのとまったく同じです。
私以外の方の小説を読み、感想を書き、「ぜひ投票会場においでください!」とテンション高くやっておりました。テンションが高かったのは浮かれていたのではなく、投票を盛り上げようと思って緊張していたのですが、それをわかってくれる人は、ただの一人もいなかったと思います。
そのことで2ちゃんねるなどでも「シャレード新人小説賞の一次審査に通って掲載されただけで浮かれている、調子に乗っている」などと、かなり口汚くののしられ、おまけにシャレード新人小説賞での順位もふるわず、挙げ句の果てに私のフリをして2ちゃんねるで私を褒め殺しする、ステマ詐欺みたいな人もあらわれました。別のランキングサイトで不正行為をしてランキングポイントを稼いでいる、などというまったくの事実無根の風評も流され、もう死んだ方がいいのかな、というところまで思いつめました。なんか、文才が無いのでさらっと書いてしまいましたが、本当に当時のことを思い出すと、よくあの状態で小説を書く事が出来ていたな、と自分でも呆れます。
そして今回の連載が始まり、ブログ村で月田さんのシャレード新人小説賞に関する記事を読んだ時、とてつもないデジャブを感じたのです。
月田さんのブログのテンションの高さは、当時叩かれた私の活動報告の比ではなく、「同情するなら金をくれ」と大声で叫んでいるようなブログでした。(月田さんすみません……)
正直、初見の感想は、「この人だいじょうぶかな……」だったのですが、ムーンライトノベルズで掲載されている小説や、今回のシャレード新人小説賞で掲載されている作品を拝読し、間違いなく才能のある方だと思いました。
また、以前、私が全く理解されず誰にも応援してもらえず、ただひたすら他の同時掲載の方の応援をしていたことを思い出しました。月田さんもご自身のブログで他の同時掲載の方の小説の感想を書いて応援しておられて、ご自分の感想は誰も書いてくれない、という状況が当時の私とまったく同じだったのです。
なんというか、ただの老婆心なのですが、「ここはわたしがこの人の作品の感想を書かねば」と思ってしまったというこの経緯……おわかりいただけますでしょうか。
ハイ、ただのおせっかいです(爆)。
良い人ぶって嫌われる人の、典型例です(笑)。
しかも私はおそらく、ネットの住人には嫌われているのでしょう。それは昨年、さんざん叩かれたことで充分理解しました。ある意味社会勉強になりました。
私はわかりやすいところで言うと、『もののけ姫』のたたり神みたいなものではないでしょうか。私のことを嫌いだ、という人々の怨念をまとっている存在なんじゃないかな、と常々思っています。私がネット上で何か発信すると、私のことを嫌いだ、と2ちゃんねるで声高に言う人々の吐いた唾が、私の名前にこびりついているような気がしてなりません。
(※念のため申し上げますが、私は今は2ちゃんねるを一切見ておりません。私のことを嫌いだと書いていただいて結構なのですが、嘘は書かないで欲しいなあと思います。私のフリをして褒める内容を書き込むとか、ランキングサイトで不正をしているとかは全くのデタラメです)
そんな私に応援されているのですから、月田さんもたまったものではないと思います(笑)。あんまり良いことじゃありません。
ここまで書いて、うさんくささを解消しようとして、もっとひどい印象をもたれてしまったような気がします。
ただ一つだけ言いたいことは、みなさまどうぞこの機会にシャレード新人小説賞をお読みいただきまして、気に入った小説に投票してみてください、ということです。
ちなみに、月田さんの今回の『その場しのぎでいかがわしくて』という作品は、なんとシリーズものの第0話だそうです。この登場人物達の出演する大長編がすでにムーンライトノベルズに掲載されていて、そちらも同時に楽しめるそうです。余談ですが。
さいごに……
良い小説なら、だまって座っていればみんなが読んでくれる。
そんな良い時代は終わったんじゃないかと思います。
がんばっている人に報われて欲しい。
切にそう思います。
甘粕杏奈
『その場しのぎでいかがわしくて』——シャレード新人小説賞感想
「おもしろーい!」としか言えない
はてなブログをたわむれに開設してみましたものの、放置しっ放しではや三週間……? 自分の原稿が一段落したので、以前から書こう、書こうと思っていた「シャレード新人小説賞」の感想文を書くことにしました。……はあ、やっとだよ……。
Twitterやブログのコメント欄などで、「……感想書きますね!」という社交辞令は良く見かけるものですが、あれを本当に実行する人とそのまま永遠に感想書かない人の比率を研究してみたら、面白いことになるのではないかと思われます(笑)。俺は実行するぜ!
というわけで、感想文なのですが……。
まず「シャレード新人小説賞」というものについて軽くご説明を。
商業BL小説読みの方々なら皆様よくご存知の、二見書房のシャレード文庫が主催する、BL小説の新人賞です。
そして他の数多あるBL小説新人賞と一線を画しているところは、なんと読者の投票でデビューが決まる、公開投票形式なのです。ご存知でしたか?
候補作品は毎回三〜四作品で、毎週一回、火曜日に一回ずつ連載され、十週で完結します。完結後は二週間ほどそのまま掲載された後、「得票数が一定数以上」を充たせば、一位の作品は受賞となり、その作家さんはデビューするのですね。大変燃えるエンターテインメントなシステムなのです!
で、わたしが部外者なのになんでこんなに熱くなってるかも一応ご説明しますと、私は昨年の今ごろ『白猫ゆうれい』という小説で候補作にあがったのですが、ばっちり敗退しました。それでもなぜかご縁があり、シャレードパール文庫さんという同じ二見書房さんの電子書籍専門のレーベルから『水瓶座はきょう失恋するでしょう』という著作を出させていただきまして、宣伝も兼ねて(笑)応援させていただいております……! 私利私欲の塊で、ほんとうにすみません……!
それでは、ただいまシャレード新人小説賞で掲載中の三作品の中から、月田朋さんの『その場しのぎでいかがわしくて』の感想を以下に書かせていただきますね。き、緊張する……!
まるで邦画を観ているような、心地よい空気感
自分好みの若手俳優をキャラクターに当てはめ、お気に入りのBGMを流し、オサレげな街に彼らを配置して、ふらふら休日の街を歩きながら缶ビールを飲む。美しい俳優達の会話を妄想しながら……。そんな小説です。
まるでセンスの良い邦画を観ているような、ご機嫌なBL小説。
攻め視点なので、感情移入し過ぎず、攻めのぐるぐるする恋心をニヤニヤ楽しめる!
感情移入しすぎてぼろぼろ泣きながら小説を読むのって、「カッコ悪い」じゃないですか。(※誤解のないように申し上げておきますが、私は感情移入してぼろぼろ泣きながら小説を読むのが三度のメシより好きですよ!)
月田さんの小説は、徹頭徹尾お洒落。
読者にそんな格好悪い真似はさせません。
あくまでお洒落に、表参道あたりのカフェでナントカフラペチーノを飲みながら、BL小説を読む……ってあんまり格好良くありませんね(笑)。しかも秋なんだからフラペチーノはいくらなんでも寒過ぎるんじゃないの?! いやはや……紹介したい小説がいくらオサレでも、紹介する側がそのオサレについて行けていないようです。
でもとにかく、一定の距離を置いて、のめり込み過ぎずに、ほんわりリアルな恋愛を、楽しむのです。
でもその内容は軽いだけじゃなくて、誰もが恋愛中に経験したことのあるあれやこれやを甘くほろ苦く思い出させてくれて、この秋のセンチメンタルな季節にピッタリのアンニュイな気分に浸ることも出来るし、でもアンニュイにさせ過ぎないユーモアに溢れているのですね。
キャラクターが魅力的
シャレード編集部のコメントにも書いてある通り、キャラクターを一言で表せるほどキャラ立ちしているのです。
キャラがはっきりしてると小説の面白さは俄然引き立ちますよね。
攻めの開堂くんはむっつりで、表に情熱をなかなか表現出来ないんだけど、その分、エロいんです(笑)。
受けの七尾さんも明るくてビッチな表向きなんですが、それだけに内面は繊細なんです。
そういうのをぜんぶ小説の中で語り過ぎてしまうと「野暮」なんですが、そこは月田節。「語り過ぎないセクシーさ」があると編集部で評されたように、絶妙なさじ加減で読者に想像させてくれます。
さいごに……
とにかくこれはオススメ出来るHappyで楽しくて、でもどこか胸に迫るものがある、センスの良い邦画のようなBL小説なので、ぜひぜひ読んで欲しい!
そしてだいじなことですが、投票してあげて下さい。
めんどうくさい会員登録などは必要ありません。シャレード新人小説賞のトップページの「投票する」ボタンをポチッと押すだけです。
この方の小説にイラストがついたら、もっともっとステキだと思いませんか?
そして個人的な妄想ですが、実写映画化して欲しい(笑)。
オススメ、です!
他の二作品は?
他の二作品の感想は、上記の『その場しのぎでいかがわしくて』の作者でいらっしゃる月田朋さんのブログにとっても細かく書いてありまして、わたしも「うんうん、そうだよね……!!!!!」と激しく同意しながら拝読しましたので、リンクを貼っておきますね。
ぜひぜひ、三作品ご賞味いただきまして、投票しつつ、三作品の行方を楽しんでいただければと思います。
今回は映画評論家の淀川長治さんになったつもりで書いてみました。
ではでは、秋の夜長の読書、お楽しみください!
甘粕杏奈
はてなブログを初めてみました
初めまして、甘粕です。
BL小説を書いています。
今年(2015年)の9月にシャレードパール文庫さまより電子書籍
『水瓶座はきょう失恋するでしょう』
が発売されたのをきっかけに、Twitterやブログなどを始めてみました。
ネットでボーイズラブ小説を書くということは、2010年くらいから始めておりまして、自分で作ったサイトから他の小説投稿サイトに移るなど点々としておりましたが、現在は「粕屋」というブログを一つ作りまして、そこから全作品にリンクしています。
このブログは思いついたことを気ままに書くために、「粕屋」とは別に起ちあげました。ざっくり言うと、「粕屋」は読者さま向け、こちらは同業者向け? という感じです
ブログをまじめに書いたことがほとんどないので、至らないことが多いとは思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
甘粕 杏奈